千葉市長選挙を解説します【立候補者と見どころ紹介】
2017年5月14日告示、
28日に投開票が行われる千葉市長選挙。
選挙結果を予想するだけなら、こんなにつまらない選挙はないだろう。
絶大な知名度を誇り市民からの支持も高い、現職市長の熊谷俊人氏が立候補しているからだ。“巨人”熊谷氏の前には、当初は協力関係になかった自民党市議団ですら選挙応援することを表明している。
しかしこの“巨人”を前に、戦いを挑む候補者がいる。共産党県中部地区委員会の准委員の大野隆(大野たかし)氏だ。東京新聞:千葉市長選 共産推薦の大野さんが出馬表明 「市民大切にする市に」:千葉(TOKYO Web)
正直、大野たかし氏が当選する確率は非常に低いだろう。しかし彼の立候補のおかげで、選挙を経て市長が決まるという民主主義の健全なプロセスが成り立つことになる。
立候補者の経歴
新人、大野隆(大野たかし)氏
Reference: 大野たかし(千葉市長選予定候補) (@koredeiinoka) | Twitter
大野隆氏は、東京都立日比谷高校・明治大学経済学部を卒業後、会社員等を経て、2016年から日本共産党の職員に。今回がはじめての選挙戦のようだ。
Reference: 千葉市長選挙、「あたらしい千葉・みんなの会」大野たかしさんの決起集会 小松実のひとりごと/ウェブリブログ
現職、熊谷俊人氏
Reference: 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) Twitter Profile | Twicial
現職の熊谷俊人氏は、早稲田大学政治経済学部出身。会社員を経て、2007年千葉市議会議員に立候補トップ当選。2年後には千葉市長選挙に立候補し、対立候補の前副市長などを破り当選。現職最年少の市長となった。
今回が3度目の市長選となる。
選挙戦、注目のポイント
さて、千葉市長選挙で注目すべきは選挙結果だけではない。
注目すべきポイントを3つ解説する。
注目点① どんなネット選挙を展開するのか?
熊谷市長と言えば、選挙前に各家庭に配られる選挙公報を継続的にWEB掲載する事業をはじめたことでも有名だ。これ以外にも、普段からSNSを使って市民と対話と情報発信など、インターネットを縦横無尽に使いこなして政治活動を行っている
またネットを使った選挙活動に関して早くから関心を持ち、解禁に向けて積極的に情報発信を行っていた。(例えば、熊谷 俊人 氏 One Voice Campaign インターネット選挙運動解禁へ向けて)
今回、熊谷市長にとってははじめての、インターネットを使った選挙活動が行える選挙戦となる。
熊谷市長は、これまで培った市民とのオフラインでのネットワークに加え、web上のオンラインでのネットワークをも駆使した選挙戦を行うだろう。
熊谷市長がどのようなネット選挙戦略を展開するのか。彼のTwitterやFacebookから目が離せない。
ネットを使った選挙戦略に関心がある諸兄諸姉は、見逃すことができない選挙戦となる。ぜひ参考になされてはいかがだろうか。
注目点② 投票率は回復するのか?
前回の市長選挙で勝利をおさめたあと、熊谷市長は自身のブログで、
“とはいえ、投票率は31.35%と決して高い数字ではありません。(略)もう少し投票率が高ければなと率直に思います。” と述べている。
確かに、有力な対抗馬がいない場合の選挙では、一般に投票率が下がる。前回に続き、今回も、熊谷氏の圧勝が予想されているため、投票率は伸びにくい傾向にあるだろう。
とはいえ、前回の選挙で市長自らが懸念していた低投票率。
今回の選挙では、前回の31.35%が、達成すべき投票率のひとつのベンチマークとなるだろう。
注目点③ 若者の投票率は上がるのか?
若者の政治参加に強い関心を持つ熊谷氏。自らtwitterをはじめ、ネットで積極的に対話と情報発信を行っている。今回の選挙では、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、若者たちの政治参加が期待される。
千葉市は、選挙権年齢が引き下げられて初の国政選挙となった参議院議員選挙の投票率を、18歳・19歳で個別に集計し、公表している。
その結果、18歳の投票率は60.76%と高く、これは50代後半の投票率に匹敵するほど高いものだった(最低は20代後半で、34.11%)。
今回の市長選でも、全体の投票率はもちろんのこと、熊谷市長が特に関心を持っている18歳・19歳の投票率が注目される。
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