選挙解体新書

地方選挙の解説、最新の選挙科学の研究、そして選挙の独自分析を紹介してます。

選挙科学の最前線

リベラルな人は「脳レベル」で不寛容であることを示す研究

リベラルをかかげた政党や政治団体が分裂する現象は古今東西広くみられます。日本では、旧日本社会党の分裂から最近では民進党まで、リベラル政党の分裂は事欠きません。 また、組織内の暴力的な抗争を意味する「内ゲバ」も、特に左翼・リベラル組織にのみ使…

テロの遺族は支持政党を変えるのか?9・11後の長期研究

つい先日も、ハロウィンでにぎわうニューヨークで恐ろしいテロがありました。 youtu.be テロリズムは多くの直接の犠牲者を傷つけるだけでなく、被害者の遺族や被害者の隣人に深い傷を与えます。そして時として、遺族や隣人の中から、政策に影響力を持つ政治…

公明党がネガティブ・キャンペーンをする理由

ネガティブ・キャンペーン(ネガキャン)とは自分の党の政策の良い点ではなく、相手の党の政策の攻撃する選挙戦術です。歴史上最も成功したネガキャンは、「汚いヒナギク」のCMでしょうか。1964年の米大統領選挙で、タカ派で知られる共和党ゴールドウォータ…

英国民の学歴があと少し高ければ、EU離脱はなかったかも。

グローバリズムとナショナリズム。保守とリベラル。いま世界中で、政治的な志向が2極化し、社会を分断しかねない危機が到来しています。イギリスで行われたEU離脱をめぐる国民投票では、国民の意見が真っ二つに分かれ、EUからの離脱が選択されました。この…

ハゲは選挙で不利なのか?

市民は、政治家を「見た目」で選んでいます。見た目「だけ」で投票していると言っても言い過ぎではないかもしれません。政治家の顔・身長・体格が、選挙結果に影響していることは、世界中の研究で何度も確かめられています。 わたしたちは「顔」で政治家を選…

移民の増加で、市民が排他的になることを証明した社会実験

世界的なグローバリゼーションは、異なる民族間の接触機会を増加させ続けており、その結果として民族間の対立は世界的な問題となっています。例えば、近年ヨーロッパ各国に中東からの難民・移民が増えたことによって、元々の住民との軋轢が増加していること…

今こそ見たい、保守とリベラルの分断を乗り越えるためのTED動画5選

ブレグジットで揺れたイギリス、大激戦となったアメリカ大統領選挙、そしてフランスでの国民戦線の躍進など、世界中で「保守とリベラル」、「グローバリズムとナショナリズム」の対立が深まっています。それはわが国でも同じかもしれません。 また、真偽があ…

投票率を向上させる、たったひとつの冴えてないやりかた

政治家の本音はそうではないかもしれないが、民主主義国家においては、健全な政治を作るために、国民がきちんと選挙に投票し政治に参加することが求められている。 しかし残念ながら、我が国では、投票率が低下傾向にある。 そのため、行政は多大な資金を投…

女性は耳で妊娠する? 声が低い男性は繁殖成績が良い、という研究。

以前のエントリーで、声の低い男性政治家は投票されやすい傾向があるという研究を紹介しました。 この研究は、人間は、声の質に対して、何らかの選好性があるということを示唆しています。 では、なぜ声の低い男性は好まれるのでしょうか。 男性の声の質とそ…

期日前投票は、現職市長に有利に働くかもしれない

横浜市長選挙は現職の林文子氏が当選しました。 www3.nhk.or.jp 投票率は37.21%で、前回2013年よりも8.16%上昇しています。投票率が増加した要因のひとつが、期日前投票の拡充と言われています。期日前投票の周知とともに、区役所や区民センターなど多くの公…

選挙時のネット広告は、ほぼ効果がないことが判明

インターネットの普及に伴い、選挙戦略におけるネット広告の重要性が世界的に高まっている。例えば、2012年のアメリカ大統領選挙では、オバマ陣営とロムニー陣営の両方は、全ての選挙広告の費用のうち、25%をネット広告に使用したと試算されている。 では、…

選挙に負けると支持者の男性ホルモン量が低下してしまう

選挙は戦いだ。誰かが勝てば、誰かが負ける。生物を広く見渡すと、他の個体と争うのは多くの場合、オスだ。そして、争いに勝ったオスはテストステロン(男性ホルモンのひとつ)量が大きく増加し、負けたオスは低下することが、様々な生物で知られている。争…

政治思想(保守/リベラル)は遺伝する。

あなたはどんな政治思想を持っているだろうか。リベラルだろうか保守的だろうか。どちらであっても、あなたがその考えを持つようになったのはなぜか、はっきりと答えることができるだろうか。 古くから、親と子供で政治的なイデオロギーが似通ってくるという…

リベラルは保守よりも保守的だった。Facebookのビッグデータで判明

保守(右翼)は伝統的な価値観を重んじ、自分とは異なる意見をあまり参考にしない。逆にリベラル(左翼)は、多様な価値観を許容し、自分と異なる意見にも耳を傾ける。 政治傾向に関するこのステレオタイプは間違っているかもしれない。2015年にFBの研究者が…

選挙前に自然災害が起こると現職は不利になる。ただし・・・

有権者は、候補者の「見た目」や「声」という政治家の資質や政策とは無関係の情報に基づいて、投票を行っていることを紹介してきた これらの研究が示しているのは、いうなれば有権者の非合理的な面である。 しかし、もちろん、全ての有権者がこのような非合…

忖度の証明?官邸を訪れた企業は便益を受けている、という研究結果

政治家は経済活動に対して強い影響力を持っている。そのため、経済活動を営む企業にとって、政治家とのコネクションを維持することは非常に重要だ。 しかし、この事実を検証するのは非常に難しい。政治家は特定の企業と親密になっている事実をあまり明らかに…

EU離脱は「風」のせい?選挙当日の風速が投票結果に影響した。

「風」は選挙の比喩によく使われる。 与党に追い風が吹いた、無党派層の風を読む、政権に逆風が吹いた、などなど。だがしかし、「風」が本当に選挙の結果を左右するとは、誰も考えていなかった。 ケンブリッジ大学とコロンビア大学の研究者が発表した最新の…

渋い声の政治家は当選しやすいことが判明。世界中の大統領選で実証。

国民は、政治家を選ぶときに、何を基準に選んでいるのだろうか。 見た目だ。 www.politic.tokyo 政治家の業績や政策で選んでいるわけではない。多くの国民が、顔や背の高さ、肉体的な魅力で政治家を選んでいることが分かっている。 男性の場合、政治家として…

政治思想は顔に出る。顔で支持政党が予測できるという研究

顔というのは、人間にとって最も重要な情報源だ。 人と出会ったときに最初に注目するのは顔であり、顔を目にしたときの判断(良い、悪い、信頼できる etc. )は無意識にかつ一瞬で終わってしまうことが知られている。 そして無意識かつ一瞬の判断が、その人…

市民はイケボ政治家に弱い?選挙と声質の関係

国民は顔で政治家を選ぶ 候補者の「見た目」が有権者の投票行動に大きな影響を及ぼしていることが世界中の研究で示されている。イケメンは選挙でも得をするのである。 候補者の「見た目」と、政治家として重要な能力や政治信条は、ほとんど関係がないにもか…

最強の選挙ポスターを作るための8つの事実【記事まとめ】

1. 政治家は顔が命 世界中の研究が、国民は「見た目」で政治家を選んでいることを明らかにしている。 これは無意識の選択だ。 www.politic.tokyo 2. 有能に見える政治家が当選しやすい 本当に有能かどうかは関係ない。 人間は、有能そうに見える顔の人に投票…

USA!USA! 国旗を見た国民は、無意識に投票先を変えてしまう

あなたがなんとなく決断したことが、実は他人にコントロールされた結果だとしたらどう思うだろうか。陰謀論じみて聞こえるかもしれないが、われわれの意思決定や行動は関係のない先行情報に大きく影響を受けていることがわかっている。 例えば、老人に関連す…

戦争の時、国民はちょいポチャで強面の政治家を好む

Reference: File:Winston Churchill As Prime Minister 1940-1945 MH26392.jpg - Wikimedia Commons 国民は選挙で政治家を選ぶときに、「顔」や「身長」などの見た目を、無意識のうちに重視してしまう。 「有能そうに見える顔」をした「高身長」の候補者を、…